怪我の影響は患部以外にも

整骨院で扱っているのは、出血していない関節や筋肉、骨の怪我です。特に関節に関する怪我、捻挫や挫傷、打撲の治療を得意とします。

怪我をするというのは、怪我をする部位に力がかかり、その力に耐えられなくて壊れることです。治療の基本的な考え方は自然治癒力が働きやすい状態にして自然な怪我の修復を落ち着いて待つことです。

ここでの自然治癒力が働きやすい状態とは、怪我をした部分や周りの組織の位置が機能的に正常で異常な緊張がないこと。この異常な緊張を残したまま自然回復をさせると後々痛みが残るとか動かしづらさが残るとか後遺症に繋がります。

この異常な緊張を運動で解いていこうというのがリハビリで、整骨院では治療とリハビリの両方を使っていきます。

自然治癒力が働きやすい状況をつくって、十分な回復期間を設け、リハビリをきちんとやっていても何だか痛みや動きづらさなどが残る場合というのがあります。今回のお話の本題はここからです。

怪我をした際、例えばバランスを崩して足首を捻った時、さらにそのまま捻りが強くなる方に倒れる人はいません。転んで手をついた時、ついた手にさらに体重がかかっても悪化しないように力が入ります。

怪我をした場合には怪我を悪化させないように全身を総動員して怪我が悪化しない方向に動くための力が働きます。力が働くといっても反射なので、勝手に力んで気づいた時には終わっています。

怪我をすると、どうしても怪我をした部分に意識が向いてしまいますが、この全身の勝手に力んだ場所がそのままのせいで怪我をした部分の痛みや動きづらさが取れなかったり、そのせいで新たな怪我をすることもあります。ということがあります。

今まで経験した例を挙げてみます。

①小学生。ギプスが必要なほどひどい捻挫が治った後、くるぶしの下のあたりがなぜか触ると痛くて気になる。

その痛い部分にある筋肉とつながりのある首の筋肉を緩めたら気にならなくなった。

②中学生。バレーボールをしていて腰が痛くてプレーできなくなった。病院では仙腸関節のズレがあるせいだと言われた。

過去に捻挫を何度もしていたので慢性捻挫の治療をしたら腰の痛みが大幅に減った。

どちらも怪我が治った後、怪我をした部位以外の部分の問題が違和感になったり、新たな怪我を引き起こしています。これは大きい怪我であればあるほど強く長く引きずる傾向にあります。

これに関しては、薬で変わるものでもないですし、リハビリも全身まで見ることはあまりないので、整骨院や鍼灸院での治療がかなり有効です。

怪我した部分は大丈夫でも、関係なさそうな部分の緊張が入ってしまい、そのことには本人は気付けないということがかよくあります。

早めの対処であれば、回復も早いし、保険(療養費)も使えるので、何かしら身体を痛めた場合には早めにいきつけの治療院に行って診てもらう習慣を作るといいと思います。